The Global Startup Ecosystem Report 2022

メソドロジー

Startup Genomeは、300万社以上の企業データ、300箇所に及ぶエコシステム、そして世界中の1万人以上のスタートアップ経営者による調査データ (Voice of Entrepreneurs)を含む定量的データ基盤である。

以下、このデータ基盤を構成する主なデータセットについて説明する。

  • Startup Genomeの独自データ
    • 100人以上の専門家へのインタビュー
    • 2017-2021年の年間1万人以上が参加するスタートアップ・エコシステム調査
  • Dealroom :スタートアップと投資家の資金調達、Exit、所在地に関するグローバルなデータセット
  • Crunchbase :スタートアップと投資家の資金調達、Exit、所在地に関するグローバルなデータセット
  • PitchBook :民間資本市場データプロバイダー
  • 現地のパートナー (アクセラレーター、インキュベーター、スタートアップ・ハブ、投資家)
    • スタートアップ企業一覧
    • 地域のExitと資金調達イベントの一覧

データソース

一次データソース

  • Startup Genome LLC (2017-2022).StartupGenome.comデータベース
  • Dealroom.co BV.(2017-2022).Dealroom.coデータベース
  • Crunchbase (2017-2022).Crunchbase.comデータベース
  • CB Insights (2019-2022).Cbinsights.comデータベース
  • Orb Intelligence Inc. (2017-2021). orb-intelligence.com データベース
  • PitchBook (2018-2022年版) :未公開企業の情報を提供する データベース

二次データソース

  • Forbes 2000
  • Github API
  • International IP Index
  • Meetup.com
  • OECD (研究開発費)
  • ライフサイエンスランキング (その他)
  • Glassdoor,Salary.com,PayScale (給与データ)
  • Shanghai Rankings
  • Techboard
  • Times Higher Education Rankings
  • Webometrics (研究開発型病院トップ800)
  • USPTO
  • WIPO
  • World Bank (事業活動のしやすさ) (Ease of Doing Business)

参照したデータの期間

ランキングの方法 (トップエコシステムの場合)

総合ランキング

グローバルエコシステム総合ランキングは、以下のファクタースコアの加重平均で算出される。

  • パフォーマンス :30%
  • 資金調達 :25%
  • マーケットリーチ :15%
  • 連結性 :5%
  • 経験・才能 :20%
  • 知識量 :5%

以下に詳述するサブファクターと評価指標に基づいて、各ファクターに対するエコシステムの指数値を算出した。その後、エコシステムのスコアに上記の重みをかけて、各エコシステムの総合ランクを設定した。各因子の重みは、パフォーマンス指数を従属変数とし、他の因子指数を独立変数とした線形回帰分析に基づく相関分析およびモデリング作業により、2017年から2020年にかけて決定された。最後に、実際のパフォーマンス指数をランク付けする式に加えることで、エコシステムのパフォーマンスに対する観測されてない要因の影響を含める役割を果たす。


ランキングの詳細
パフォーマンス (Performance)

エコシステムのパフォーマンスに関する実際の先行指標、現在指標、遅行指標を把握。

  • 50% エコシステム価値
    • 期間中のすべてのExitとスタートアップの推定評価額の合計の対数 (重複なし)
  • 37.5% Exit
    • 80% Exit数 ($50M以上のExit数の80%の対数、$1B以上のExit数の20%の対数)
    • 20% Exitの成長指数 (1~10点満点)
  • 12.5% スタートアップサクセス
    • 60% グロースステージの成功 (100% シリーズAからCスタートアップの比率)
    • 30% Exitまでのスピード (50% Exit時平均年齢、50% IPO時平均年齢)。
    • 10% アーリーステージの成功 (シリーズAからBへのスタートアップの比率)

資金調達 (Funding)

アーリーステージのスタートアップの成功に重要な資金調達の指標を定量化。

  • 90% アクセス
    • 90% アーリーステージの資金調達ボリューム (アーリーステージの資金調達ディール総件数の80%の対数、総件数の合計の20%の対数。)。シードラウンドの時間範囲は2018年7月1日~2020年12月31日、シリーズAの時間範囲は2019年7月1日~2021年12月31日。  
    • アーリーステージの資金調達額の10%の対数
  • 10% クオリティとアクティビティ
    • 70% 投資家のボリューム (50% VCとCVCの総数の対数 [2022年第1四半期 ]、50% 運用資産残高1億ドル以上の大規模VCとCVCの総数の対数 [2022年第1四半期] )。
    • 10% 投資家の経験 (50% 平均以上のExit率を持つ投資家の数 [2022年第1四半期] 、50% 投資家の平均経験年数 [2020年第1四半期] )。
    • 20% 新規投資家 (新規投資家総数 (50% 2022年第1四半期、活動期間5年未満)の対数、50% 活動投資家比率[2022年第1四半期]の対数)。

マーケットリーチ (Market Reach)

アーリーステージのスタートアップが顧客とリーチし、規模を拡大して世界展開できるようにするための施策のこと。

  • 60% グローバルに活躍する企業
    • 50% 1B$ドルクラブの対GDP比(B)
    • 30% 1B$を超えるExitの比率 (メトロ人口比) (単位:M)
    • 20% 2019年、2020年、2021年上半期の資金調達シリーズAに対する5000万ドル以上のExitの比率の対数
  • 30% ローカルマーケットへのリーチ
    • 自国GDPの対数
  • 10% 品質
    • 有形知的財産の商業化数の対数 (国別で計測した「International IP Index」に基づく1〜10段階のスコア)

コネクティビティ (Connectivity)

そのエコシステムが、グローバルなナレッジの構造にどれだけつながっているかの測定 (地域内のつながりとイノベーション基盤)。

  • 90% 地域内の接続容易性
    • 60% meetup.comにおけるMeetupグループ数の対数
    • 40% meetup.comにおけるMeetup Group数の人口比の対数(単位:M)
  • 10% 基盤
    • 90% ライフサイエンスに特化したアクセラレーターやインキュベーターの指標の対数
    • 10% 研究開発病院数の対数

経験・人材 (Experience & Talent)

37.5% 人材

アーリーステージのスタートアップがアクセスできる人材を評価する。
  • 90% 技術系人材
    • 90% 能力とアクセス
      • 70% 50M以上のExit数の対数 [2012-2021]
      • 10% Githubコーダー全体に占める上位コーダーの割合
      • 10% github.comで10人以上のフォロワーを持つGithubコーダーの数の対数
      • 10% 英語力のスコア
    • 10% コスト
      • 50% ソフトウェアエンジニアの給与の対数 (低ければ低いほど良い) - Glassdoor、Salary.com、PayScaleより
      • 50% 資金調達ランウェイの対数
        :シリーズA資金調達ラウンドの中央値とソフトウェアエンジニアの給与の比率
  • 10% ライフサイエンス
    • 50% STEM学生 :STEM学生数の対数
    • 40% ライフサイエンス分野のアクセス
      • 70% ライフサイエンス分野数の対数
      • 30% ライフサイエンス関連分野を持つ機関数の対数
    • 10% ライフサイエンスの質
      • 25% Shanghai RankingsのCNCIスコアの平均値
      • 25% Shanghai RankingsのTOPスコアの平均値
      • 25% Shanghai Rankingsの平均ICスコア
      • 25% Shanghai Rankingsの平均PUBスコア

62.5% 経験

エコシステムにおけるスタートアップの経験度合いを把握する。
  • 80% エコシステムにおけるスタートアップ経験値
    • 2012年~2021年 (10年間)のシリーズAの資金調達件数の対数
  • 20% エコシステムにおけるスケールの経験 (エコシステムで創業したスタートアップが10年間で5000万ドル以上、10億ドル以上の重要なExitをした累積数。)
    • 60% 10億ドル以上のExit数の対数
    • 40% 5,000万ドル以上のExit数の対数

知識 (Knowledge)

研究および特許活動からイノベーションを測定

  • 80% 特許 (エコシステムで創出されたライフサイエンス分野の特許数、複雑さや特許のポテンシャル。詳細はメソドロジーのライフサイエンスのセクションに記載)
    • 50% エコシステムにおけるライフサイエンス特許数の層の対数
    • 30% ライフサイエンス特許数の 特許の伸び (3年移動平均)
    • 10% ライフサイエンステクノロジーのポテンシャル :世界的なテクノロジークラスレベルで算出され、各エコシステムが生み出す技術に基づき算出される指標
      • 20% PageRankアルゴリズムに基づくテクノロジークラスの複雑さ
      • 30% テクノロジークラスの世界的な成長
      • 50% テクノロジークラスの大きさ(クラス内のグローバル特許数の対数)
    • 10% 特許の複雑性スコアは、PageRankアルゴリズムに基づき、複雑なテクノロジークラスの特許を生み出すエコシステムの能力を示す指標
  • 20% 研究 (国レベルのライフサイエンス研究の生産に注目し、出版物のインパクトを示すH-index)

新興エコシステムランキング

新興エコシステムとは、パフォーマンスにおいて上位40のグローバルエコシステムに続くエコシステムである。これらのエコシステムのランク付けに使用される要因の重みは、トップエコシステム (方法論のセクションで詳述)と若干異なっている。これは新たに発生している状態を反映することと、成長を始めたばかりのエコシステムに、より影響を与える要因を強調するためである。

新興エコシステムのランキングは、以下の要因のスコアを加重平均したものである。

  • パフォーマンス :45%
  • 資金調達 :30%
  • マーケットリーチ :15%
  • 経験・能力 :10%

新興エコシステムランキング詳細 :

パフォーマンス (Performance)

エコシステムのパフォーマンスに関する実際の先行指標、現在指標、遅行指標を把握する。

  • 70% エコシステム価値
    • 期間中のすべてのExitとスタートアップ企業の推定評価額の合計の対数 (ダブルカウントなし )
  • 20% Exit
    • 80% Exit数 (80% $50M以上のExit数の対数、20% $1B以上のExit数の対数)
    • 20% Exit成長指数 (1~10点満点)
  • 10%スタートアップの成功
    • 80% グロースステージの成功 (50% 2019-2021年下半期にシリーズCからAスタートアップの比率、50% ユニコーン数の対数)
    • 10% Exitまでのスピード (Exit時の平均設立年数50%、IPO時平均設立年数50%)
    • 10% アーリーステージの成功 (シリーズBからAへのスタートアップの比率)

資金調達 (Funding)

アーリーステージのスタートアップの成功に重要な資金調達の指標を定量化

  • 100%アクセス
    • 90% アーリーステージの資金調達ボリューム (80% アーリーステージ資金調達案件の総件数の対数、20% 総件数の合計の対数 )
    • 10% アーリーステージの資金調達額の対数

マーケットリーチ (Market Reach)

初期段階のスタートアップが顧客にリーチし、規模を拡大して「Go-Global」できるようにするための施策。

  • 100% 世界トップレベルの企業
    • 50% 億ドルクラブの対GDP比 (10億)
    • 30% 1Bを超えるExitの比率 (首都人口比) (100万)
    • 20% 2019-2021年下期の資金調達額シリーズAに対する5,000万円以上のExitの比率の対数

タレント (Talent)
50% 才能

アーリーステージのスタートアップがアクセスできる人材を評価する。

  • 80% 技術的才能
    • 50% 品質とアクセス
      • 70% 50M以上のExit数の対数 2012-2021
      • 10% githubコーダー全体に占める上位コーダーの割合
      • 20% github.comで10人以上のフォロワーを持つGithubコーダーの数の対数
    • 50% コスト
      • 50% ソフトウェアエンジニアの給与の対数 - 低ければ低いほど良い - Glassdoor、Salary.com、PayScaleより
      • 50% ファンディング・ランウェイの対数 :
        シリーズA資金調達ラウンドの中央値とソフトウェアエンジニアの給与の比率
  • 20% ライフサイエンス
    • 100% STEM学生 :STEM学生数の対数

50% 経験

エコシステムにおけるスタートアップの経験度合いを捉える。

  • エコシステムにおける80%のスタートアップ経験
    • 2012年~2021年 (10年間)のシリーズAの資金調達件数の対数
  • 20% エコシステムでのスケール経験 (エコシステムで創業したスタートアップが10年間で5000万ドル以上、10億ドル以上の重要なExitをした累積数)
    • 60% 10億ドル以上のExit数の対数
    • 40% 5,000万ドル以上のExit数の対数

エコシステム価値の変化に関する留意点

我々Startup Genomeは、スタートアップ・エコシステムの世界において、読者やメンバーの利益となるよう、リサーチとデータの質を向上させることを常に心がけている。この心構えを念頭に置き、我々はデータセットを包括性と品質の両面において大幅に改善をした 。データを改善していく中で、重要な成果のひとつが「エコシステム価値の向上」であった。これに影響を与えた主な要因は以下の通りである。


  1. テクノロジー系スタートアップ : テクノロジー企業の分類は、より包括的な分類の基準と複数のソースからのタグを追加することで、大幅な改善を図った。具体的には、CB Insightsのデータを追加し、Tech系の分類が正確であることを確認するために綿密なチェックを導入した。その結果、より多くの企業がハイテク企業としてタグ付けされ、より多くの案件が当社のデータセットに追加された。これにより「エコシステム価値」に約8%貢献した。
  2. 創業年数基準の引き上げ: 我々は、より長く操業しているスタートアップほど、より高額の、そして最新の資金調達ラウンドを受ける可能性が高いと結論づけた。この点を考慮し、1億ドル以上のExitについては、設立日が1995年まで遡るスタートアップを対象とした。同様に、シリーズB以降のラウンドでは、1995年までの設立日のスタートアップをデータセットに含めた。これにより、上位100社のエコシステムの価値が約8.5%増加した。
  3. ユニコーンデータの増加 : ユニコーンのデータセットを大幅に拡大した。これにはCB Insightsのユニコーンや10億ドル以上のExit (精査済)が含まれている。これは、上位エコシステムの「エコシステム価値」の増加の約36%に寄与していた。
  4. 大型案件の精査 : 最終チェックとして、各エコシステムの大型案件を精査し、その案件が有効であり、真の価値を反映し、そのエコシステムに属していることを確認した。
  5. 今年から、2018年以降に行われた5億ドル以上のExitを含めている。これらの大規模なExitは、ほとんどが投資家がポートフォリオを拡大するためのドライパウダーの形で、そのエコシステムにとどまり、考慮すべき重要な効果である。
  6. 例年は、スタートアップが設立されたエコシステムのみを考慮していた。今年からは、スタートアップが本社を置くエコシステムに、トップ5のスタートアップやユニコーンの価値も加えた。この意図は、スタートアップが生まれた場所と魅力を生み出した場所の両方を評価することである。


エコシステムページ基準

エコシステムの価値

2019年、2020年、2021年上半期のExitやスタートアップの評価額として算出される、経済効果の指標。


アーリーステージの資金調達額合計

2019年、2020年、2021年上半期のTech系スタートアップのシード資金とシリーズA資金の合計。


ソフトウェアエンジニアの給与

ソフトウェアエンジニアの平均給与 (低ければ低いほど良い):Glassdoor、Salary.com、PayScale、また該当する場合は現地の情報源より。


シリーズA 中央値

2.5年の期間 (2019年上半期、2020年上半期、2021年上半期)のエコシステム内のTech系スタートアップにおけるシリーズAラウンドの中央値。


シード 中央値

2.5年の期間 (2019年上半期、2020年上半期、2021年上半期)のエコシステム内のTech系スタートアップのSeedラウンドの中央値。


主要な概念と定義

ランキング アーリーステージのスタートアップが世界的に成功する企業を作る可能性の高いエコシステムを比較したランキング。

スタートアップ Steve Blank 氏は、スタートアップを "再現性・拡張性のあるビジネスモデルを模索するために作られた一時的な組織 "と定義している。私たちはこの定義をもとに、ソフトウェア、ハードウェア、健康、エネルギーなどのセクターやサブセクターにおける新規事業について考察している。

エコシステム 特定の地域の中心点から半径60マイル (100キロメートル)以内に存在し、共有のリソースプールを利用するスタートアップおよび関連事業体のクラスター。エコシステムの目標は、企業を立ち上げ、成長させること。

エコシステムサクセスファクターモデル (Ecosystem Success Factor Model) 当社の主要な分析ツールは、スタートアップのパフォーマンスに貢献する側面を分析する。1つは実際のパフォーマンスを測定するもの、もう1つはパフォーマンスに関連するサクセスファクターで、それぞれサブファクターとメトリックで構成されている。これらの要因は、「ランキング手法」のセクションで紹介している。

  • パフォーマンス (Performance): スタートアップのエコシステムにおける経済的成果を把握するための先行指標、遅行指標、現行指標の組合せ。
  • 資金調達 (Funding): 初期段階における資金調達の水準と成長、アクセスと質の両面から検討する。
  • マーケットリーチ (Market Reach): 初期段階のスタートアップによる顧客へのアクセスを測定し、規模を拡大して「Go-Global」することを可能にする。
  • 連結性。生態系とそれを支えるインフラがどのようにつながっているかを測定する。
  • リソース・アトラクション (Resource Attraction): 起業家やスタートアップを他所から引き寄せるエコシステムの引力。
  • スタートアップ・エクスペリエンス (Startup Experience)。エコシステムにおける先行スタートアップ経験のプールの深さと多様性。
  • タレント (Talent): ソフトウェア工学の専門知識の入手のしやすさ、質、コストを測定。
  • 創業者 (Founder): スタートアップの創業者に関連する成功要因、創業者のコントロール下にある成功要因、あるいは外部 (エコシステムの機能)ではなく内部 (スタートアップの機能)の成功要因。
    • 創業者のDNA (Founder DNA): 各地域の創業者の経歴、経験、野心、モチベーション
    • 創業者のグローバル戦略 (Founder Go-Global Strategy): スタートアップが最初からグローバルに事業を展開しているのか、それともまずローカル市場をターゲットにしているのか、また顧客獲得チームの配置やターゲット、成功するためのスキルはどうなっているのかを測定する。
    • 高い志を持った創業者 (Founder with High Ambition): 以下の属性をすべて満たした創業者 : 
      • 300億ドル以上のTotal Addressable Market
      • グローバルに通用する新製品
      • ニッチな製品の開発
      • 世界を変える、金持ちになる、優れた製品を作るという使命感を持つこと。
    • サブセクターで経験を積んだ創業者 (Founders with Experience in Sub-Sector): 大学院の学位がスタートアップに直接関係すると考える創業者。
  • 地域との接続 (Local Connectedness): 地域コミュニティに関する多変量評価。コミュニティ意識、人間関係、創業者、投資家、専門家間の衝突などを含む。
    • センス・オブ・コミュニティ・インデックス (Sense of Community Index): 創業者が投資家、専門家、創業者仲間から非公式に支援を受ける度合いを示す「地域密着度」のサブファクター。
    • 創業者間の関係数: 地域の創業者がお互いを知っていて、「今週はこの人に頼もう」と思えるような、質の高い関係の数。
    • 衝突指数 (Collision Index): Meetup.comに登録されている技術系イベントの数と、エコシステム内のスタートアップ1社あたりの技術系イベントの密度


セクターとサブセクターの定義

以下は、ここで分析した各スタートアップのサブセクターの定義である。サブセクターは相互に排他的でも包括的でもなく、我々が考慮しなかったサブセクターに属するスタートアップもあることに注意が必要。

また、少なくとも特許からはこのデータは明確な技術収束を示している。AIソフトウェアのような技術は、ますます相互に関連しており、スタートアップのサブセクターについても、同様の収束が時間の経過とともに進むと予想される。

アドテクノロジー (AdTech)

アドバタイジング・テックは、広告やマーケティングの文脈で使用されるさまざまなタイプの分析およびデジタルツールを捉えている。広範かつ複雑なシステムを用いて、あらゆる規模やターゲットのオーディエンスに広告を配信・伝達・監視する。

先進製造業とロボット工学

先進製造業は、製品および/またはプロセスの従来の製造を改善するためのスマート技術を含む。ロボティクスは、ロボットの科学と技術、その設計、製造、および応用を指す。

アグリテック (AgTech)&ニューフード

AgTechは、農業、園芸、水産養殖において、天候、害虫、土壌や気温の情報モニタリングや分析を通じて、収穫量、効率、収益性を改善することを目的とした技術の利用を捉えている。新しい食品には、食品の設計、生産、選択、配送、および消費における効率と持続可能性を創出するために活用できる技術が含まれる。これは Forward Fooding の Food Tech の定義に基づくものである。

人工知能、ビッグデータ&アナリティクス

AI、ビッグデータ、アナリティクスは、大量の生データから意味を抽出する技術分野であり、コンピュータの知的動作のシミュレーションなどを含むことが多い。

ブロックチェーン

ブロックチェーンは、暗号技術によって保護された分散型のデータ保存方式である。暗号通貨は、ブロックチェーンを利用した多くのイノベーションの1つだ。この分散化された暗号化技術の上に製品/アーキテクチャを構築する企業は、ブロックチェーン企業と定義される。

クリーンテック

クリーンテックは、エネルギー、水、交通、農業、製造の分野における持続可能なソリューションで、先端材料、スマートグリッド、水処理、効率的なエネルギー貯蔵、分散型エネルギーシステムなどが含まれる。

建設・不動産テック (PropTech)

建設技術とは、生産性の向上、コスト削減、安全性の改善、リードタイムの短縮、資源の最大化など、建設プロセスや工法を改善することができる技術を指す。PropTechとは、組織や個人が不動産の調査、売買、賃貸、リース、管理を行うための技術を指す。その方法は、不動産の検索、利用可能な不動産のリスト、内覧日の設定、賃貸契約や取引の最終決定など。

コンシューマーエレクトロニクスまたはホームエレクトロニクス (ウェアラブル、スマートデバイスを含む)

コンシューマーエレクトロニクスまたはホームエレクトロニクスは、エンターテインメント、コミュニケーション、ホームオフィス活動で使用されるスマートデバイスやその他のウェアラブルなど、日常的な使用を目的とした電子機器またはデジタル機器である。

サイバーセキュリティ

サイバーセキュリティとは、ネットワーク、コンピュータ、プログラム、データ攻撃、損傷、不正アクセスから保護するために設計された技術、プロセス、慣行の総体である。

エデュケーションテック (EdTech)

EdTechとは、教育分野における従来の製品やサービスを再設計するためのツール (ソフトウェア、ハードウェア、プロセスなど)の開発と応用に特化した技術分野のこと。

フィンテック

フィンテックは、金融サービス業界 (保険を含む)における既存のプロセス、製品、サービスを、ソフトウェアや最新の技術によって改善することを目的としている。

ゲーミング

ゲーミング事業は、ビデオゲーム、ギャンブル機器および関連サービスの開発、販売、収益化を含む。

ガブテック(GovTech)

GovTechとは、政府機関が公共サービスの向上を目指して、国民に特定のサービスを提供するために利用する技術基盤のことだ。この技術により、政府は透明性を高め、国民の福祉と関与を最大化するような方法で効果的に運営することができるようになる。

ライフサイエンス

ライフサイエンスは、病気や症状の診断、治療、管理に関わる分野である。バイオテクノロジー、製薬、医療技術 (医療機器とも呼ばれる)のスタートアップも含まれる。