The Global Startup Ecosystem Report 2022

MENA のインサイト、ランキング、エコシステムページ

MENAは地理的にヨーロッパ、アフリカ、アジアの大きな市場へのアクセスが可能であり、多くの若い人口を擁している。地政学的な不安定さと高い失業率の中で、これらの若者の多くは新しい機会を求め、起業を通じて世界をより良くしようとする傾向が強まっている。この地域の中小企業は登録企業の94%を占め、MENAの経済にとって不可欠な存在である。しかし、グローバルな資金調達が可能なのは、そのうちのわずか3%にすぎない。2012年に出版された最初のGSER以来、MENAは急速な変化を遂げ、アーリーステージ資金調達の世界シェアは2倍の4%に達し、その額は38億ドルに上った。2021年、MENAは2012年と比較して、5000万ドル以上のExit数が640%増加した。

この地域では、2021年は投資活動が記録的な年となった。890件の調達をめぐるVCラウンドの合計で130億ドルが調達され、MENAは2020年からシリーズB+の調達の件数が23%増加した。

イスラエルはハイテクを中心とした「スタートアップの国」として有名で、テルアビブはGSERのランキングでも常に上位にランクインしている。このエコシステムでは、調査期間中に10億ドル以上のExitが3件あり、そのエコシステムの価値は1000億ドルを超え、7位の地位を確保することができた。イスラエルは2021年のVC資金調達総額で地域内シェアの84%を占め、次いでアラブ首長国連邦 (UAE)のシェアが8%となっている。イスラエルは人口が約860万人と少ないにもかかわらず、中東地域と世界の両方で技術革新の道を切り開いている。

MENAの他の主要なスタートアップ・エコシステムには、UAE、エジプト、サウジアラビアが含まれる。カイロでは、2020年から2021年にかけてVC資金調達ラウンドのドル総額が156%増加し、2017年から2021年にかけて、エコシステムにおけるVC資金調達ラウンドの全体数が60%増加した。AI&BDはこの地域で最も成功したサブセクターであり、総投資額の38%を占めている。FinTechのスタートアップもここでは盛んで、サウジアラビアのFinTech企業TamaraはシリーズAラウンドで1億1000万ドルの調達を行い、2021年においてその地域最大の調達であった。エジプトのデジタル決済スタートアップPaymobはシリーズAラウンドで1850万ドルを調達した。


主な調査結果

  • MENAでは、2020年から2021年にかけて、アーリーステージの資金調達が60%増加した。
  • この地域では、2020年から5,000万ドル以上のExitが89%の伸びを示した。
  • テルアビブは、中東・北アフリカ地域の主要なスタートアップ・エコシステムとして第7位にランクインしている。エコシステムの価値は今年1000億ドルを超え、イスラエルの都市は、昨年から169%増加した特許の数で、知識の分野で良い成績を収めた。
  • 2021年、UAEはシリーズB+ラウンドのドル額が2020年比で144%成長した。
  • サウジアラビアは2020年後半に初のFinTechユニコーンを輩出し、STC Payは13億ドルと評価された。