ストロング・スターターランキング

ストロング・スターターランキングは、アーリーステージの資金調達活動が最も活発な新興エコシステム・ランキングの上位25エコシステムを特定するものである。この算出方法の詳細については、「方法論」の項を参照されたい。

アーリーステージの資金調達には、シード案件とシリーズA案件が含まれる。シード資金調達は、スタートアップが調達する最初のVCラウンドであり、通常、ビジネスモデルの検証、製品の構築、チームの成長に使用される。シリーズAは、スタートアップ人生において重要なステップである。シリーズAラウンドは通常、シードラウンドよりもはるかに大規模であり、スタートアップに製品開発、従業員の雇用、市場戦略の開発と立ち上げのためのランウェイを提供する。

アーリーステージの資金調達は、成功の可能性を示す重要な指標である。というのも、シリーズAラウンドを受けるほとんどのスタートアップは、最小限の実行可能製品 (MVP)の作成、収益の発生、または製品の発売間近であることを示すことで、その可能性を実証しているからである。したがって、エコシステムにおけるアーリーステージラウンドの回数と金額の両方が、その成功と成長の指標となる。

主な調査結果

• 強力スターターズのエコシステム価値の合計は7,000億ドルを超え、中でもデトロイトの貢献は1,030億ドルで、個々のエコシステム価値としてはランキング中で最高となった。
• イスタンブールは、GSER2022からアーリーステージ案件数が60％増加し、アーリーステージ案件額が35％増加したことで、強力スターターズランキングの1位を獲得した。トルコの都市は、GSER 2023の時間枠で600件近いアーリーステージラウンドを調達している。2021年にはDream Gamesが5,000万ドルのシリーズAラウンドを、2022年にはAce Gamesが3,300万ドルのアーリーステージ資金を調達している。
  
• ランキングにランクインしたエコシステムの半数以上 (13)は、上位4つを含むヨーロッパのエコシステムである。スペインはトップ5に2つ入っている： 2位のバルセロナと4位のマドリードだ。
  
• バルセロナは、GSER2022からアーリーステージ資金調達案件数で24％、アーリーステージ案件額で12％増加した。Yabaは2022年のシリーズAラウンドで8,500万ドルを調達し、Splice Bioは同年に5,600万ドルのシリーズAを調達した。
  
• マドリードでは、2022年のGSERからアーリーステージ資金調達案件数が24％、案件額が12％増加し、2023年のGSERでは7億6,000万ドルのアーリーステージ資金調達案件があった。最大の案件は、2021年のシリーズAラウンドで5,000万ドルを調達したデジタル・エンターテインメント・プラットフォームのCarousel Groupと、2022年に3,700万ドルのシリーズAを調達したデータ・プラットフォームのTinybirdである。
  
• エストニアは強力スターターズランキングで3位を獲得し、急成長するテックハブとしての地位をさらに固めた。エストニアでは、2021年から2022年にかけてアーリーステージの資金調達額が46％増加したが、アーリーステージのディール件数は10％減少した。最大のラウンドは、Euroraが2022年のシリーズAで4,000万ドルを調達したこと、NFT開発者プラットフォームNPTPortが2022年のシリーズAで2,600万ドルを調達したことなどである。
  
• ドバイは5位で、GSER2022年以降、アーリーステージの資金調達件数は45％増加し、ディール額は114％増加した。最も大きなラウンドの2つは、2022年のデジタルバンキング・プラットフォームYAPの4,100万ドルのシリーズAラウンドと、2021年の後払いプラットフォームCashewの4,000万ドルのシリーズAラウンドである。