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北米では2021年からディール活動全体が減少しており、2022年も同様傾向となっている。最も顕著なのは、シリーズB+のディール額が41%減(2,030億ドルから1,200億ド ルへ)、ディール件数が24%減(2,647件から2,006件へ)したことである。アーリーステージの資金調達は26%減少し、シリーズAのディール件数は25%減少した。とはいえ、北米は依然として世界をリードするスタートアップ大国であり、ランキングのトップ30の50%を占めている。
より長期的な期間で見ると、2018年から2022年で北米ではシリーズBのディール件数は4%増にとどまったが、シリーズB+のディール金額は56%増となった。アーリーステージの資金調達案件数は2018年以降減少しており、2022年には対2018年で件数は28%下回ったが、アーリーステージの資金調達額は2018年から2022年にかけて26%増加しており、この期間における価値の膨張という一般的な傾向が浮き彫りになっている。
この地域で最大のIPOはシリコンバレーの暗号通貨取引所Coinbaseで、2021年4月に858億ドルと評価された。マイアミを拠点とする医療技術MSP Recoveryが2番目に高く、2022年5月のIPO時の評価額は326億ドルだった。カナダは2021年に18社、2022年に15社のユニコーンを輩出したが、これは主に急成長しているトロント・ウォータールー、バンクーバー、モントリオールの3都市によるもので、いずれも昨年から順位を維持している。
米国とカナダは最近、技術革新を奨励するための専用施策を導入している。2022年8月、米国は国内製造業の振興とクリーン技術の開発促進を目的とした「インフレ削減法」に署名した。2023年5月には、Investing in Americaアジェンダの一環として、地域技術革新ハブ(Tech Hubs)コンペティションが開始された。一方、カナダはElevateIPプログラムを通じて知的財産プログラムに9,000万ドルを投資し、国家レベルでスタートアップの成長を支援している。
主な調査結果
- 世界的なエコシステム上位30社のうち15社が北米を拠点としており、カナダが2社、残りが米国である。さらにソルトレーク・プロボ、ダラス、モントリオールの都市が次点のエコシステムとして認知されている。
- 世界的にスタートアップのエコシステムが増え、北米のエコシステムも多様化しているため、シリコンバレーは以前に比べてシェアは減少しているものの、引き続きランキングの上位を独占している。
- ロサンゼルスは、5,000万ドル以上と10億ドル以上のExitが増加したこともあり、2つ順位を上げて4位となり、初めてトップ5に入った。GoodRxは評価額127億ドルでIPOし、エコシステムで最も高いExitとなった。ユニコーンの数は44社で、昨年より21社増加した。SpaceXは1,000億ドルで評価額トップのユニコーンだった。
- マイアミは10ランクアップの23位となった。エコシステム・バリューは前年比160%増、アーリーステージ資金調達は64.3%増、MedTechのMSP Recoveryの326億ドルIPOを含む大型Exitも増加した。
- トロントは依然としてカナダをリードするエコシステムであり、17位をキープしている。5,000万ドル以上のExitが54%増加し、ビデオ管理システムのRumbleが38.5億ドルのIPOを果たした。ユニコーンの数は14社に増え、中でもPointClickCareの評価額は40億ドルでトップとなり、エコシステム価値の65%増に貢献した。
- バンクーバーとモントリオールも、それぞれ30位と40位で、GSER2022年版から安定しており、カナダで2位と3位のエコシステムとなった。